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テレビは本当に人を太って見せる?1440×1080と「横長ピクセル」の意外な仕組み【お役立ちコラム】

約5分

「テレビに映ると太って見える」
そんな話を一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
昔は

「地デジは1440×1080だから横に引き伸ばされて太って見える!」

という話までありました。
実はこれは半分本当で、半分間違いです。
今回は映像の世界で使われてきた「ピクセルアスペクト比(Pixel Aspect Ratio)」について分かりやすく解説します。


地デジは本当に1920×1080ではない?

現在のフルハイビジョンは

1920×1080

です。
ところが日本の地上デジタル放送では、多くの番組が

1440×1080

で送られています。
「あれ?横の画素数が少ない!」
と思いますよね。
実はこれには秘密があります。


横に伸ばしているのは映像ではなく「ピクセル」

普通は1つのピクセルは正方形です。

□ □ □ □
□ □ □ □

ところが1440×1080では、
1つ1つのピクセルを
横に約1.333倍長い長方形
として扱っています。

▭ ▭ ▭ ▭
▭ ▭ ▭ ▭

つまり、

  • 横1440個しかない
  • でも1個1個が横長

なので、最終的には1920×1080と同じ16:9になるのです。


では芸能人は太って見えている?

答えは「いいえ」です。
撮影から放送まで「この映像は横長ピクセルですよ」という前提で処理されています。

もし本当に横方向だけを1.333倍に引き伸ばしていたら、

  • 人の顔
  • 建物

すべて約33%横に太って見えてしまいます。
そんな映像だったら誰でも違和感に気付きます。
つまり、
テレビで見る人物の体型は本来の比率で表示されています。


「テレビで見るより実物の方が細い」は本当?

これは実際によく聞く話です。
しかし理由は映像の引き伸ばしではありません。
例えば

  • レンズの特性
  • 撮影距離
  • カメラアングル
  • 照明
  • 衣装
  • テレビ越しの印象

など様々な要因があります。
そして何より、
テレビに出演される方は体型管理をされている方が非常に多く、
実際に会うと驚くほど細い方も少なくありません。


昔のDVテープはもっと不思議だった

ここで少し昔話です。
DVDやminiDVで使われていたDV規格は、
720×480画素しかありません。

現在から見るとかなり横幅が少ないですよね。
実はDVでもピクセルは正方形ではありませんでした。

4:3の場合

ピクセルアスペクト比は約0.9

縦長のピクセルを使います。

16:9の場合

逆に約1.2

前後(規格によって1.185や1.212など)
横長のピクセルになります。

つまり、同じ720×480でも

  • 4:3
  • ワイド16:9

の両方を表現できたのです。
今では少し不思議な仕組みに感じますが、当時はテープ容量を節約するための非常に賢い方法でした。


なぜこんな仕組みだったの?

理由はとてもシンプルです。

当時は

  • テープ容量
  • 放送帯域
  • 通信速度

すべてが限られていました。
そこで「画素数を増やす代わりに、ピクセルの形を変えよう」という発想が生まれました。

限られたデータ量で高画質を実現するための工夫だったのです。


現在はほとんど正方形ピクセル

現在主流の

  • フルHD(1920×1080)
  • 4K(3840×2160)
  • YouTube
  • Blu-ray
  • パソコン
  • スマートフォン

これらは基本的に
正方形ピクセル(Pixel Aspect Ratio = 1.0)
で作られています。

そのため昔のDVやHDVを編集するときは、
編集ソフトが正しいピクセルアスペクト比を認識しているかが重要になります。
設定を間違えると人物が細長くなったり、横に広がって見えたりすることがあります。


まとめ

「テレビは人を太って見せる」という都市伝説は、1440×1080や横長ピクセルの仕組みから生まれた誤解と言えるでしょう。

実際には、放送も編集も撮影もすべてピクセルアスペクト比を考慮して処理されているため、人物が横に引き伸ばされているわけではありません。

一方で、昔のDVやHDVでは「正方形ではないピクセル」が当たり前に使われていました。

映像技術は、限られた容量や通信帯域の中でより高画質を実現するため、さまざまな工夫を積み重ねて発展してきたのです。


コラムの豆知識

現在でも「1440×1080」の素材を扱うことはありますが、
Blu-rayやYouTubeなど最終納品がフルHDの場合は、1920×1080で撮影・編集した方が後々の互換性や画質の面で安心です。
これは前回ご紹介した「1440×1080とフルHDの違い」の記事ともつながる内容なので、合わせて読むとより理解が深まります。


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