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DFとNDFって何?なぜタイムコードは「フレームを飛ばす」の? 59.94fpsが生んだ放送業界の知恵【お役立ちコラム】

約6分

業務用ビデオカメラや編集ソフトを見ると、

  • DF
  • NDF

という表示を見かけることがあります。

「ドロップフレーム?」
「フレームを捨てるの?」

初めて見ると、「画質が悪くなるの?」と思ってしまいますよね。

実はドロップフレーム(DF)は映像のフレームを捨てているわけではありません。
飛ばしているのはタイムコードの番号だけなのです。
今回は、59.94fpsや29.97fpsと切っても切れない「DF」と「NDF」の違いを分かりやすく解説します。


まずタイムコードとは?

映像には

01:23:45:12

のような数字が付いています。

これは

時 : 分 : 秒 : フレーム

を表しています。

例えば30fpsなら

00:00:00:00
00:00:00:01
00:00:00:02
...
00:00:00:29
00:00:01:00

というように1秒ごとに進んでいきます。

編集ソフトや放送機器は、この番号を使って正確な編集を行っています。


ところが29.97fpsでは問題が…

前回の記事で紹介したように、
カラー放送では30fpsではなく
29.97fps
になりました。

つまり実際には
1秒間に30枚ではなく29.97枚
しか進みません。

一見すると誤差はたった
0.03フレーム
です。

しかし…


少しずつズレていく

例えばタイムコードを
「30fpsだと思って」数えていくと、
時計よりほんの少しだけ速く進んでしまいます。

その結果、
1時間後には約3.6秒もズレます。

放送では

番組開始
13:00:00

CM開始
13:14:30

終了
13:59:59

のように秒単位で管理しているため、
3秒以上ズレるのは大問題です。


解決策がドロップフレーム

ここで考えられたのが
タイムコードだけ調整するという方法です。

重要なのでもう一度。
映像は一切捨てません。
捨てるのは番号だけです。


どう飛ばすの?

実は毎分

00
01

という番号を飛ばします。
例えば

00:01:00:00
00:01:00:01

は表示せず、
いきなり

00:01:00:02

になります。

「あれ?」と思いますが、
映像はちゃんと存在しています。

番号だけ飛んでいるのです。


でも毎分飛ばすと飛ばしすぎでは?

その通りです。

そこで
10分ごとは飛ばしません。
つまり

1分
2分
3分
4分
5分
6分
7分
8分
9分
→飛ばす

10分
→飛ばさない

というルールになっています。

これによって、
時計とタイムコードがほぼ一致するようになります。

これが
Drop Frame(DF)
です。


NDFとは?

一方、NDF(Non Drop Frame)は
そのまま

00
01
02
03

と順番に数えていくだけ。

そのため1時間収録すると
約3.6秒ズレます。
映像自体は問題ありません。

ズレるのはタイムコードだけです。


ではどちらを使う?

一般的には

DF

  • テレビ放送
  • CM
  • 番組制作
  • 放送納品

時計との一致が重要なのでこちら。


NDF

  • 映像制作
  • YouTube
  • 企業PV
  • イベント撮影
  • 学校行事

編集しやすいためこちらを使うことも多くあります。
近年ではファイルベース収録が中心になり、放送以外ではNDFを使う現場も少なくありません。


コロンではなく「;」になる理由

編集ソフトでは

01:23:45:12

ではなく

01:23:45;12

と表示されることがあります。

このセミコロン(;)
DFを意味しています。

一方、

01:23:45:12

ならNDFです。

EDIUSやPremiereでも設定によって表示が変わります。


実は59.94fpsの置き土産

もし昔の技術者たちが
30fpsのままカラー放送を実現できていたら、
DFという仕組みは必要ありませんでした。

しかし、
白黒テレビとの互換性を守るため、
29.97fpsという規格が誕生。

その結果、
時計とのズレを補正するために
Drop Frame Timecode
という仕組みまで生まれたのです。

つまりDFは、
59.94fpsが生んだ「もう一つの発明」と言えるでしょう。


まとめ

「ドロップフレーム」と聞くと、
映像を間引いているように思えます。

しかし実際には
飛ばしているのはタイムコードの番号だけ。
映像は1フレームも失われていません。

この仕組みのおかげで、
29.97fpsという中途半端なフレームレートでも、
テレビ局は時計の時間とぴったり合わせて番組を放送できるのです。

普段はほとんど意識しない「DF」と「NDF」。

その裏には、1950年代から続く放送技術者たちの工夫が今も息づいているのです。


💡ワンポイント

「Drop Frame=映像を捨てる」ではありません!
正しくは「タイムコードの番号を一部スキップして、時計の時間と合わせる仕組み」です。


編集後記

映像制作会社で働いていても、「DFとNDFの違い」を説明できる人は意外と多くありません。実際には、59.94fpsの歴史を知ると、DFの存在理由まで一本の線でつながります。 こうした「昔の放送技術が今のカメラや編集ソフトにも残っている」という話は、映像技術の歴史の面白さを感じさせてくれるテーマですね。


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