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ビデオカメラと肉眼で見える色が違う?メーカーごとの色づくりとLED照明の仕組み【お役立ちコラム】

約5分

「肉眼では紫なのに、映像では青い…?」

先日、ダンスイベントの撮影でこんな出来事がありました。

舞台ではムービングライトによる鮮やかな紫色の照明が使われていたのですが、撮影した映像を確認すると、Panasonicのビデオカメラでは紫色が青っぽく記録されていました。

一方で、同時に撮影していたSonyのビデオカメラでは、肉眼で見た印象に近い紫色で映っていました。

最初は「Panasonicの設定がおかしいのかな?」とも思いましたが、調べてみると、実はカメラではよくある現象だったのです。


ホワイトバランスが合っていても色が違うことがある

今回の撮影では、どちらのカメラもホワイトバランスは3200Kで固定していました。
つまり設定はほぼ同じです。

それでも紫や青だけ見え方が違ったのは、ホワイトバランスの問題ではなく、
カメラの色づくりとLED照明の特性が大きく影響していました。


人間の目とカメラは色の見え方が違う

私たちの目は非常に優秀です。

多少照明の色が変わっても、

「これは紫だな」
「これは青だな」

と脳が自動的に補正して認識しています。

一方、ビデオカメラはセンサーで光を数値として記録しています。
そのため、人間には紫に見えていても、
カメラは「青成分が強い」と判断し、青色として記録してしまうことがあります。


最近の舞台照明はLEDが主流

今回使われていたのはムービングライトによるLED照明でした。

LED照明は省電力で非常に鮮やかな色を表現できますが、その一方で色の作り方が従来の照明とは異なります。

例えば「紫」といっても、

  • 赤いLEDと青いLEDを混ぜて作っている
  • 青成分が非常に強い
  • 特定の波長だけを強く発光している

といった特徴があります。

人間の目にはきれいな紫に見えていても、カメラのセンサーでは青色として認識されやすい場合があります。

特にムービングライトのような高彩度な照明では、この現象が起こりやすくなります。


メーカーごとに色づくりが違う

今回比較したのは

  • Panasonic AG-CX20
  • Sony HXR-NX100

でした。
同じ3200K設定でも、
Sonyは肉眼に近い色に見え、
Panasonicでは紫が青寄り、水色寄りに見える場面がありました。

これは故障ではなく、
メーカーごとの色づくり(カラーチューニング)の違い
によるものと考えられます。

メーカーごとに

  • 肌色を重視する
  • 暖色を好む
  • 青を鮮やかに表現する

など、それぞれ設計思想があります。

そのため、同じ照明でもメーカーによって色の印象が変わることは珍しくありません。


Sonyの方が正しかったの?

今回の現場ではSonyの方が肉眼に近く見えました。

しかし、これは
「Sonyが正しく、Panasonicが間違っていた」
という意味ではありません。

たまたま今回使用されていたLEDムービングライトと、Sonyの色づくりとの相性が良かった可能性があります。

照明の種類が変われば、逆の結果になることもあります。

つまり、
照明とカメラの相性
も舞台撮影では重要なポイントなのです。


編集で直せる?

もし映像全体が青いだけなら、ホワイトバランスの補正で比較的簡単に修正できます。

しかし今回のように

  • 赤は正常
  • 黄色も正常
  • 紫だけ青っぽい

という場合は、一括補正では直りません。
色ごとに細かく補正する必要があり、他の衣装や背景の色まで変わってしまう可能性もあります。
舞台撮影では「すべての色を肉眼どおりに再現する」のは意外と難しいのです。


今回学んだこと

今回の経験で改めて感じたのは、
「ホワイトバランスが合っている=すべての色が正しく映る」
とは限らないということでした。

LED照明が主流となった今では、

  • 照明の種類
  • カメラメーカーごとの色づくり
  • センサーの特性

これらが重なって、肉眼とは違う色に記録されることがあります。

今後は、舞台照明が特徴的な現場ではメーカーごとの色の傾向も意識しながら撮影し、必要に応じてシーンファイルや色設定の検証も進めていきたいと思います。

映像制作では、こうした「機材のクセ」を知っておくことも、安定した撮影品質につながる大切な経験だと感じました。


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