
喫茶店やバーで、
「マスター、コーヒーください。」
と言うのは、日本ではごく普通の光景です。
しかし実はこの「マスター」という呼び方、海外ではほとんど使われません。
「えっ!? 英語の Master なんだから海外でも同じじゃないの?」
そう思った方も多いのではないでしょうか。
実は私もそう思っていました。
「Master」の本来の意味
英語の Master はもともと、
- 主人
- 師匠
- 指導者
- 熟練者
といった意味を持つ言葉です。
例えば、
- マスターピース(傑作)
- マスターキー(すべてを開けられる鍵)
- マスタークラス(熟練者向け講座)
など、「優れたもの」「中心となるもの」という意味で使われています。
つまり、「店主」という意味だけの単語ではありません。
海外のバーでは何と呼ぶ?
では海外でバーへ行ったら何と呼ぶのでしょうか。
実はとてもシンプルです。
- “Excuse me.”
- “Bartender!”
- 名前が分かれば名前で呼ぶ
このような呼び方が一般的です。
日本のように
「マスター!」
と呼ぶ文化はほとんどありません。
もし海外で
“Master!”
と呼んだら、
「先生?」
「ご主人様?」
「どういう意味?」
と少し不思議そうな顔をされるかもしれません。
実は「マスター」は日本独自の文化
戦後、日本にバー文化や喫茶店文化が広まる中で、
「店の主人(Master)」
という意味から、
「店主=マスター」
という呼び方が定着したと考えられています。
その後、
バーだけでなく、
喫茶店やスナックでも
「マスター」
と呼ぶ文化が日本全国へ広がりました。
つまり現在私たちが使っている「マスター」は、
英語というより、日本語として独自に進化した言葉なのです。
「ママ」も実は同じ
そう考えると、
スナックの
- マスター
- ママ
という呼び方も面白いですよね。
海外で店員さんを
「ママ!」
と呼ぶ文化はほとんどありません。
これも日本独自の愛称なのです。
言葉は国ごとに育っていく
外来語というと、
「英語をそのまま使っている」
と思いがちです。
しかし実際には、日本へ入ってきた後に意味が少しずつ変化し、
日本だけで通じる言葉になることも少なくありません。
「マスター」は、その代表例と言えるでしょう。
普段何気なく使っている言葉にも、実はそんな面白い歴史が隠れているのです。
編集後記
ちなみに、この記事を書くまで私は海外でもバーの店主は「マスター」と呼ぶものだと本気で思っていました。
毎日のように耳にする言葉ほど、「世界共通」だと思い込んでしまうものなんですね。
今度バーへ行ったら、いつものように「マスター!」と呼びながら、
「これは実は日本独自の文化なんだな」
と思い出していただけたら、この雑学を誰かに話したくなるかもしれません。
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