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映画は昔、手で回していた!? 映写技師がハンドルを回して上映していた時代のお話【お役立ちコラム】

約5分

「映画は24fps。」
映像制作に携わる方なら、一度は聞いたことがある数字ではないでしょうか。

でも、
「なぜ24fpsなの?」
と聞かれると、意外と答えられないかもしれません。

実はその答えは、映画が誕生した100年以上前までさかのぼります。

そして驚くことに、当時の映画は…
映写技師がハンドルを手で回して上映していたのです。


映写機にはモーターがなかった!

現在の映写機はボタンを押せば一定速度で再生されます。
ところが映画が誕生した1895年頃は違いました。

映写機の横には大きなハンドルが付いていて、
映写技師が
ガラガラガラ…
と手で回しながら上映していました。

つまり、上映速度は機械ではなく人間が決めていたのです。


実は撮影も手回しだった!

さらに驚くことに、
映画を撮影するカメラも手回しでした。

撮影ではカメラマンが
カリカリカリ…とハンドルを回し、
上映では映写技師が
ガラガラガラ…とハンドルを回す。

つまり、
撮る人も、映す人も、人力だったのです。


だから24fpsではなかった

今では映画といえば24fpsですが、
サイレント映画の時代は決まった速度がありませんでした。

作品によって

  • 16fps
  • 18fps
  • 20fps
  • 22fps

など、さまざま。
しかも上映する映画館によって速度が違うことも珍しくありませんでした。


チャップリンが速く歩く理由

昔の映画を見ると、
人物が少し速く歩いているように見えませんか?

もちろんコミカルな演技もありますが、
実は理由はそれだけではありません。

例えば18fpsで撮影した映像を24fpsに近い速度で上映すると、
動きは自然と速くなります。

つまり、
昔の映画のテンポには、
映写技師が回すスピードも影響していたのです。


映写技師は職人だった

映写技師はただハンドルを回していただけではありません。

映画の流れを見ながら
「ここは少しゆっくり」
「ここはテンポよく」
と微妙に速度を調整することもあったそうです。

上映そのものが、一種の職人技だったのです。
同じ映画でも映画館によって少し雰囲気が違う。
そんな時代が本当にありました。


活弁士や演奏家と一緒に映画を作っていた

サイレント映画の上映では、
映写技師だけではありません。

  • 活弁士
  • ピアニスト
  • オーケストラ

などが一緒になって上映を盛り上げました。
映画館は「映像を見る場所」というより、
ライブ会場に近い存在だったのです。

上映する人によって作品の印象まで変わる。
現代では考えられない文化ですね!


そして音声映画が誕生する

1927年。
映画史に残る作品『ジャズ・シンガー』の登場により、
本格的なトーキー(音声映画)の時代が始まります。

ここで大きな問題が起きました。

もし映写速度が変わると…
映像は普通なのに、
声だけ早口になったり、
逆にゆっくりになったりしてしまいます。

音声映画では、
一定速度で上映することが絶対条件になったのです。


24fpsという「妥協の数字」

では、なぜ24fpsだったのでしょうか。

理由はとても現実的でした。

  • フィルム代はなるべく節約したい
  • でも滑らかな映像にしたい
  • 音も安定して再生したい

その絶妙なバランスとして選ばれたのが、
24fpsだったのです。

最先端の理論から生まれた数字ではありません。
当時の技術とコストの中で導き出された、
「ちょうどいい数字」だったのです。


昔の技術が、今では文化になった

現在では、
60fpsや120fpsで撮影することもできます。

それでも映画館では、今も24fpsが主流です。
なぜなら、
私たちは100年近く24fpsの映画を見続け、
その動きを「映画らしい」と感じるようになったからです。

最初はフィルム代を節約するための選択。
それが今では映画文化そのものになっています。

技術は進歩しても、
昔の技術的な制約が、今も文化として残っている。

映像の歴史には、そんな面白いエピソードがたくさん隠されているのです。


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