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WWEはドリフだ!【お役立ちコラム】

約4分

「何を言ってるんだ?」

そう思った人もいるだろう。
もちろん、ドリフターズがプロレスをしていたわけではないし、WWEがコント番組というわけでもない。

しかし、私はWWEを見るたびに、日本がかつて誇った伝説の番組『8時だョ!全員集合』を思い出す。
一見すると全く違う。
でも、映像制作の視点で見ると、不思議なくらい共通点が多いのだ。


『8時だョ!全員集合』は、毎週のように巨大な舞台セットを組み、生放送でコントを披露していた。
学校だった建物が次の週には旅館になり、さらに翌週には宇宙船になる。

照明、音響、カメラ、スイッチング、美術、大道具、小道具、演者。

何百人ものスタッフが、一時間半の生放送のためだけに力を合わせる。
しかも、それを毎週。
今では考えられない制作規模だった。


個人的な印象ではWWEも同じだ!
数万人を収容するアリーナ。
巨大なLEDステージ。
選手ごとに異なる照明。
炎や花火のパイロ演出。
数十台ものカメラ。
生放送で切り替えられる映像。
映画の予告編のような煽りVTR。
そして、リング上で繰り広げられる試合。

これだけでも十分すごい。
しかし、本当に恐ろしいのは、

これを毎週やっていることだ。


しかも、WWEは単なる試合中継ではない。
何か月も前から張られた伏線があり、
裏切りがあり、友情があり、因縁があり、
観客は歓声を上げ、
「You suck!」
「This is awesome!」
「Holy shit!」
と、一緒にショーを作っていく。
観客まで演出の一部なのだ。


これは、ドリフが会場の子どもたちの笑い声で完成していたのと、どこか似ている。

加藤茶が一言しゃべれば笑いが起こる。
志村けんに「志村!うしろ~」と叫び、志村の死アクションに会場が沸く。

舞台の上だけでは作品は完成しない。
客席まで含めて、一つのライブなのだ。


映像屋として見ると、私はスーパースター(レスラー)の技よりも、
「このタイミングでカメラを切り替えた。」
「ここで観客のリアクションを抜いた。」
「この煽りVTR、映画みたいだ。」

そんなことばかり考えてしまう。

そして毎回思う。

「これ、本当に毎週やってるの?」

と。


『8時だョ!全員集合』は、昭和という時代が生んだ、日本最高峰のライブエンターテインメントだった。
そして令和の今、その魂を世界規模で受け継いでいる番組があるとしたら、
私は迷わずWWEを挙げる。
プロレスが好きだからではない。
映像が好きだからでもない。

「ライブエンターテインメント」という文化が好きだからだ。


昔、私たちは毎週土曜日になるとドリフを見て笑っていた。
今、世界中でWWEのイベントを会場で、配信で何万人もの人が歓声を上げている。

形は違う。
文化も違う。

でも、
「今、この瞬間しか生まれない熱狂を、最高のスタッフたちが本気で作っている。」

という一点だけは、驚くほど同じだ。
だから私は今日も思う。

WWEは、現代に残された『8時だョ!全員集合』なのかもしれない。


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