
最近、「120Hzのテレビはなぜ動くのか?」という疑問から、思いがけず電気の世界へ足を踏み入れました。
そこで気づいたのは、
私たちが普段使っている電気には、2種類ある。
という、とても基本的で、とても重要な事実でした。
コンセントから来るのは「交流」
家庭のコンセントから流れてくる電気は、「交流(AC)」です。
交流とは、電気の流れる向きが一定ではなく、
プラスになったり、
マイナスになったり、
それを1秒間に50回や60回繰り返している電気のことです。
まるで海の波のように、絶えず揺れ動いています。
この波のおかげで、昔のブラウン管テレビや蛍光灯は、家庭の電気のリズムに合わせて動いていました。
一方、電子機器が好きなのは「直流」
では、スマートフォンやパソコン、液晶テレビはどうでしょう。
実はこれらの電子機器は、
交流があまり得意ではありません。
電子回路やCPUは、安定した電気でなければ正確に動けません。
そこで登場するのが「直流(DC)」です。
直流は、流れる向きが変わらない、まっすぐな電気。
まるで波のない湖のように、とても安定しています。
だから電子機器は、まず交流を直流へ変換してから仕事を始めるのです。
「交流を直流へ変える」とは?
ここで最初は不思議に思いました。
「交流が60Hzなら、どうして120Hzや144Hzで画面を表示できるの?」
その答えは、
一度60Hzというリズムをリセットしてしまうから。
交流はエネルギーを運んできます。
そのエネルギーを電子機器の中で直流へ変えると、「60Hz」という縛りはなくなります。
あとは内部の電子回路が、自分専用の時計(クロック)に合わせて、
120Hzでも、
144Hzでも、
240Hzでも、
自由なタイミングで画面を書き換えられるようになるのです。
つまり、
60Hzから120Hzを作っているのではありません。
60Hzを卒業して、新しいリズムを自分で作っている。
これが現代の電子機器の考え方です。
映像編集に例えると…
この仕組みは、映像編集にもよく似ています。
撮影した映像は59.94fpsかもしれません。
でも、一度パソコンへ取り込めば、
24fpsの映画にも、
30fpsの動画にも、
60fpsの映像にも、
編集できます。
データを一度取り込むことで、扱い方が自由になるからです。
電気も同じでした。
コンセントから届いた交流を、一度扱いやすい直流へ変えることで、その後の動きを自由に設計できるようになるのです。
縁の下の力持ち
普段、私たちはテレビを見るときも、スマートフォンを使うときも、
「この中で交流を直流に変えているんだな。」
とは考えません。
でも実際には、この変換がなければ、
CPUも、
メモリーも、
液晶テレビも、
有機ELも、
ゲーム機も、
スマートフォンも、
ほとんどの現代電子機器は正常に動きません。
交流を直流へ変える。
それは決して派手な技術ではありません。
画面に映ることもありません。
音が鳴るわけでもありません。
しかし、この小さな変換があるからこそ、私たちは高性能な電子機器を当たり前のように使えるのです。
まさに、
現代の電子機器を支える「縁の下の力持ち」だったのです。
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