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なぜ透明なのに「アルファチャンネル」? 映像編集者なら知っておきたい名前の由来【お役立ちコラム】

約5分

PhotoshopやAfter Effects、Premiere Proなどで画像や映像を扱っていると、一度は目にする「アルファチャンネル」。
PNG画像の透過や、ロゴの切り抜き、CG合成など、今では当たり前のように使われています。

でも、ふと疑問に思いませんか?
「なんで透明なのに“アルファ”なの?」

透明なら「Opacity(不透明度)」の「O」や、「Transparency」の「T」の方が分かりやすそうです。
実はこの名前には、コンピューターグラフィックスの歴史が隠されています。


昔の画像はRGBしかなかった

コンピューターがカラー画像を扱い始めた頃、画像が持っていた情報はとてもシンプルでした。

  • R(Red)
  • G(Green)
  • B(Blue)

この3つだけです。

例えば、

  • R=255
  • G=0
  • B=0

なら真っ赤。
しかし、この時代には「透明」という概念は存在しませんでした。


「もう一つ情報を持たせたい」

CG技術が進歩すると、
「この色をどれくらい表示するか」
という情報も一緒に持ちたくなりました。

例えば、

  • 赤色
  • 透明度50%

というように、色とは別の情報が必要になったのです。
そこでRGBとは別に、新しいチャンネルを追加することになりました。


その追加チャンネルが「α(アルファ)」

ここが一番面白いところです。

1970年代のコンピューターグラフィックスの研究では、追加するパラメータをギリシャ文字で表すことがよくありました。

最初に追加する変数なので、
α(アルファ)
と名付けられたのです。

つまり、
RGB + α
という考え方です。

これが現在の
RGBA
の由来になります。

つまり、
「透明だからアルファ」ではなく、「最初に追加されたチャンネルだからアルファ」

だったのです。


ベータチャンネルも存在する?

実は存在します。

CGや画像処理の研究では、

  • α(アルファ)
  • β(ベータ)
  • γ(ガンマ)

といったギリシャ文字は普通に使われています。

ただし、一般的な画像編集では透明度を表すαだけが広く使われるようになったため、多くの人はアルファチャンネルしか目にしません。

ちなみに「ガンマ補正(Gamma Correction)」という言葉も、このギリシャ文字の流れの一つです。
映像業界では「ガンマ」という言葉の方が馴染みがある方も多いかもしれませんね。


アルファチャンネル=透明度ではない?

実はこれも少し違います。
Photoshopではアルファチャンネルを追加できますが、これは必ずしも透明度専用ではありません。

アルファチャンネルとは、
「RGBとは別に保存する白黒の追加データ」
なのです。

そのため、

  • 選択範囲
  • マスク
  • 切り抜き情報
  • 透明度

など、さまざまな用途で利用できます。
透明度は、その使い道の一つに過ぎません。


After Effectsにも登場するアルファ

After Effectsには

  • RGB
  • Alpha

という表示があります。

ここでいうAlphaは、
「このピクセルをどれだけ表示するか」
という情報です。

さらに、

  • Straight Alpha
  • Premultiplied Alpha

という設定がありますが、これも「アルファチャンネルをどのように保存・計算しているか」という違いなのです。

名前の由来を知ると、少し理解しやすく感じますね。


まとめ

私も長いこと映像編集をしていますが、「透明だからアルファ」と何となく思い込んでいました。
しかし調べてみると、実際はそうではありませんでした。

アルファチャンネルとは、
「RGB画像に最初に追加された情報」
だからアルファ。

今では当たり前のように使っている「RGBA」という言葉も、約半世紀前のコンピューターグラフィックス研究の名残だったのです。

普段何気なく見ている専門用語も、その由来を知ると、映像やCGの歴史が少しだけ身近に感じられます。


💡編集後記

「ガンマ補正」「アルファチャンネル」「ベータ版」など、普段何気なく使っている言葉には、数学やコンピューターサイエンスの歴史がたくさん詰まっています。

名前の意味を知るだけで、「なんとなく使っていた機能」がぐっと理解しやすくなるのも、映像技術の面白いところですね。


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