
「テレビはずっと光っている。」
「蛍光灯はずっと点いている。」
そう思っている方は多いのではないでしょうか。
でも実は、昔のテレビや蛍光灯はものすごい速さで点滅しています。
しかも、その速さは1秒間に約60回。
「えっ!? そんなに点滅していたらチカチカして見えるじゃないか!」
と思いますよね。
ところが、人間の目はある程度以上の速さになると、点滅を「点滅」として認識できなくなります。
映画が24コマ、テレビが約60回の表示でも、私たちには滑らかに見えるのはそのためです。
テレビも「点けっぱなし」ではなかった
昔のブラウン管テレビは、画面全体が一度に光っていたわけではありません。
電子ビームという細い光が、画面を左から右へ、上から下へと猛烈な速さでなぞりながら映像を描いていました。
つまり、画面の一番上を描いている頃には、一番下はまだ暗いまま。
そして描き終わると、また最初から描き直します。
これを約60回繰り返していたため、私たちは一枚の映像として見ていたのです。
蛍光灯も実はチカチカしている
実は蛍光灯も似ています。
家庭のコンセントから流れてくる電気は「交流」と呼ばれ、1秒間に何十回も向きが切り替わっています。
日本では、
- 東日本は50Hz
- 西日本は60Hz
という違いがあります。
そのリズムに合わせて、昔ながらの蛍光灯も明るさが細かく変化しています。
普段はまったく気になりませんが、スマートフォンで撮影すると黒い横縞が流れて見えることがあります。
これがいわゆるフリッカーです。
なぜテレビも60回だったの?
ここで面白い話があります。
昔のブラウン管テレビは、家庭の電気の影響を受けやすい機械でした。
もしテレビの表示速度と電気のリズムがズレると、画面に縞模様が出たり、ちらついたりしてしまいます。
そこで技術者たちは考えました。
「だったら、電気と同じリズムで画面を描けばいいじゃないか。」
その結果、西日本やアメリカでは約60回、ヨーロッパでは50回というテレビの方式が生まれました。
実はテレビの表示回数は、映像の都合だけで決まったわけではありません。
壁のコンセントから流れてくる電気が、テレビのリズムまで決めていたのです。
身の回りには「見えない世界」がある
私たちは毎日、光を見ています。
でも、その光は本当はずっと光り続けているわけではありません。
人間には見えないほど速く点滅し、その積み重ねを脳が一つの映像、一つの光として受け取っています。
映像の世界を学ぶと、「見えているもの」が必ずしも真実ではないことに気づかされます。
普段何気なく見ているテレビや照明も、実は目には見えない高速な世界の上に成り立っているのです。
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