
映像や音声を扱っていると、当たり前のように登場する「WAVファイル」。
ところが先日、ふと気になりました。
「WAVって、結局なんて読むのが正しいんだろう?」
弊社では「ダブルエーブイ」と呼ぶことが多いのですが、人によっては、
「ウェーブ」
「ウェイブ」
「ワブ」
「ウェブ」
など、意外とバラバラです。
同じファイル形式の話をしているのに、なぜこんなに呼び方が違うのでしょうか?
そもそも「WAV」とは?
WAVは、MicrosoftとIBMによって策定された音声ファイル形式で、名称は「Waveform Audio File Format」に由来します。
つまり「WAV」という3文字は、もともとWave(波形)から来ています。
そのため英語では「wave」と読むのが自然です。
WAV (wave)
日本語なら「ウェーブ」「ウェイブ」あたりが近いでしょう。
では、「ダブルエーブイ」や「ワブ」は間違いなのでしょうか?
実際の現場では、そんな単純な話でもありません。
「拡張子として読む」という文化がある
パソコンで扱うファイル形式には、
.wav
.mp4
.mov
.avi
.jpg
など、さまざまな拡張子があります。
そして日本では、こうした拡張子をアルファベット一文字ずつ読むことも珍しくありません。
たとえば、
「MP4」→ エムピーフォー
「AVI」→ エーブイアイ
「AIFF」→ エーアイエフエフ
といった具合です。
同じ考え方なら、
W・A・V → ダブル・エー・ブイ
となります。
つまり「ダブルエーブイ」はWaveという単語を読んでいるのではなく、拡張子 .wav を一文字ずつ読んでいるわけです。
では「ワブ」はどこから来た?
これも分かりやすく、WAVという3文字をそのまま一つの単語のように読んだものと考えれば納得できます。
AVIを「アビ」と呼んだり、PNGを「ピング」と呼んだりするのと似ています。
アルファベットを一文字ずつ読むと長くなるため、現場で使っているうちに自然と短い呼び方が定着することがあります。
そのため、
「このワブ、48kHzにしておいて」
と言われても、その業界や会社では普通に通じていることがあります。
「ウェブ」はちょっとややこしい
個人的に一番ややこしいと感じるのが「ウェブ」です。
もちろん、その人がWAVを指して「ウェブ」と発音していることはあります。
しかし、Webという別の非常に有名な言葉があります。
電話などで、「ウェブファイル送ってください」
と言われたら、
Web? WAV?
となってしまう可能性があります。
特に映像制作ではWeb用動画について話す機会も多いため、これは結構紛らわしいところです。
業界や職場によって呼び方が違う?
これも面白いところです。
呼び方について厳密な業界統計があるわけではありませんが、
どこでその形式を覚えたかによって呼び方が変わることは十分ありそうです。
音楽・DTMなどで「Wave」という名称から覚えた人なら、
ウェーブ/ウェイブ
と呼ぶのが自然でしょう。
一方、PCや映像編集などで「.wav」という拡張子として認識した人なら、
ダブルエーブイ
と読むのも自然です。
そして職場で周囲がずっと「ワブ」と呼んでいれば、
新しく入った人も当然「ワブ」と覚えます。
こうして現場ごとの呼び方が出来上がっていくのでしょう。
正しい読み方より「確実に伝わること」が大事
弊社では「WAV」を、
「ダブルエーブイ」
と呼ぶことが多いです。
理由は単純で、これならほぼ確実に、
W・A・V
という3文字が伝わるからです。
映像制作の現場では、
「納品データ、WAVにしておいて」
「ダブルエーブイですね?」
「そう、それです」
と確認できれば十分です。
「ウェーブなのかウェイブなのか」を議論して作業を止める必要はありません(笑)。
実はファイル形式の読み方はこんなのばかり
そしてWAVに限らず、コンピューターの世界には**「これ、なんて読むの?」問題**が大量にあります。
有名なのがGIF。
「ジフ」なのか「ギフ」なのかは、長年議論されてきました。
ほかにも、
| 表記 | よく聞く読み方 |
|---|---|
| WAV | ウェーブ/ウェイブ/ワブ/ダブルエーブイ |
| GIF | ジフ/ギフ |
| PNG | ピング/ピーエヌジー |
| AVI | エーブイアイ/アビ |
| MOV | エムオーブイ/ムーブ |
| JPEG | ジェイペグ |
| MPEG | エムペグ |
こうして見ると、かなり自由です。
「正式名称から生まれた読み方」と「アルファベットをそのまま読んだ呼び方」と「現場で自然発生した呼び方」が混在しています。
呼び方が違っても、中身が同じなら大丈夫
今回「WAVって何て読むんだろう?」と考えてみると、意外と奥の深い話でした。
名称の由来を考えればWave=ウェーブ/ウェイブが分かりやすい一方、日本の現場では「ワブ」や「ダブルエーブイ」など、さまざまな呼び方があります。
大切なのは、
「自分の呼び方だけが絶対に正しい」と思わないこと。
別の会社のスタッフや音響さんから、
「ワブでもらえます?」
と言われたときに、
「ああ、WAVですね」
と理解できればOKです。
逆に相手に確実に伝えたい場合は、
「W・A・V、ダブルエーブイです」
と言ってしまえば間違いありません。
映像や音響の世界には専門用語がたくさんありますが、
こうした現場独特の“読み方の方言”があるのも、なかなか面白いところですね。
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